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悩ましきものづくり
「一生壊れない家具をつくる」のは、それほど難しくない。
日本のホゾ組みの技術は素晴らしく、
丁寧に取り組めば、それは出来上がってしまう。
難しいのは強度だけでなく『デザインの寿命』。
「一生涯、愛用できるものをデザインし、
物として魅力あるものに作り上げる」のは本当に難しい。
僕達のつくったものを
依頼主はほぼ毎日、ほぼ一生使い続ける
理詰めでデザインするのだけれど、決断には勇気がいる。
それができて、本物の素材をつかって、丁寧につくれば、
『出来上がったときの美しさ』と『年月が築く美しさ』
を身にまとって、次の世代に残すことができる。
『毎日使っているけど、やっぱり良いなあ、好きだなあ』と、
20年後も思える存在をつくりたい。
自分達よりもはるか年長の百年育った木材を、
愛し、恐れ、敬意を表しつつ悩みながら、
ものづくり道は続く。
京都炭山朝倉木工 朝倉 亨
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