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家具のお手入れオイルフィニッシュの様子こどもオイル仕上げふき.png

木の家具のお手入れ

●京都炭山朝倉木工の木の家具は、椅子やチェストなどはお手入れは不要です。

●食事用のダイニングテーブルのみ、1年に1度オイルを塗って頂くことをお勧めしています。

食事の前と後に台ふきんで水拭きするため、表面にごくごく細かい毛羽立ちが出た分を取り除き、オイル分を補う目的で行います。

最初の1回目のオイルメンテナンスは、無料で説明にお伺いして一緒に塗っています。

1年使って、そろそろメンテナンスしたいなという頃合いになったらご連絡下さい。

テーブルは毎年メンテナンスしなければならないかというとそうではありません。

最初の1、2回で木の柔らかい木目の毛羽立ちはほとんどなくなり、

沢山の人が歩いてつるつるなお寺の床のようになります。

 京都炭山朝倉木工の鉋仕上げの天板は、きめ細かい平面がスパッとできあがっているので、

メンテナンスは意外と簡単です。

「オイルフィニッシュの家具はシミがつきやすい」というのは誤解です。

「オイルフィニッシュ」という塗装方法が悪いのではなく、

「木地の仕上」​(塗装する前の木の表面をどれくらいツルツルにしているか)によって

シミになる、ならないが変わります。

「木地の仕上」(木の表面をツルツルにする方法)には大きく2つの方法があります。

ひとつは、ペーパーという石の粒がついたもので削る方法。

ペーパーの石の粒をだんだん小さい粒にしていくことで、

木の表面の凸凹も小さい物になっていきます。

大根でたとえると、最初は鬼おろし(おおきな凸凹)でおろして、

次に細かい目のおろし金でおろして、、、というときの大根の削った面のイメージして下さい。

もう一つは、刃物で削ってスパッと木の表面をツルツルにする方法。

この場合、刃物のほうを、最初は粗い砥石、次第に細かい砥石、最後は天然の細かい泥が堆積してできた

なめらかな砥石でギザギザをなるべく小さくして、それを使って木をスパッと削ります。

この方法は、大根をピーラー(皮むき器)でむいた表面をイメージしてください。

鉋(かんな)仕上げとペーパー仕上げ、方法が違うだけで目指すのは、

「木地のざらざらをすべすべにすること」

​ペーパー仕上が悪いわけではなく、まだまだ表面が粗い段階なのに、塗装をしてしまうのが問題です。

 

 

ペーパー仕上げの天板の場合、ペーパーで広い平面をツルツルにするというのは、意外に難しいのです。

木の年輪にも出来た季節によって硬い部分柔らかい部分があり、

ペーパー仕上の場合柔らかい部分が先に凹んでしまいがちなので

均質に番手を細かくしていくのが難しいのです。大きなペーパーの時の粒子のギザギザを

次の中くらいのペーパーの粒子のギザギザいにそろえて、更に小さな粒子にそろえて、、、

ひとつ前の大きな粒子の筋がなかなか消えないという事が起こります。

広い平面でツルツルに見えるまでをペーパーだけで仕上げるというのは、かなり手間がかかる事です。

一般的な木製品でウレタン塗装が多いのは、ある程度ペーパーをかけた木材の表面なら、

更に細かくツルツルにしなくても塗装の膜でツルツルに出来るからです。

(ウレタン塗装にも水汚れに強い、などのメリットがあり、木地をツルツルにしてウレタン塗装を施すのであれば、長く使ってウレタン塗装の膜が剥がれてきても、現れてくる木地表面はツルツルなので、汚れや菌が付着しにくい。

粗い木地仕上の上からウレタン塗装されている安い木製品が、使っていくうちに塗装の膜がとれた部分だけ粗い木地が現れて汚れやすくなるため、「木のものは使っていると汚くなる」と間違った認識が増えているのです。

塗装の前の木地の仕上の違いと、塗装の違いが混同されているのが現状です。)

ウレタン塗装なら終われる段階でオイルフィニッシュのオイルを塗っても、ちっともツルツルすべすべになりません。もう一段階、2段階、粒子を細かくする必要があります。

木製品を安価に大量生産したいという場合には、オイルフィニッシュは選択されません。

「オイルを塗って手触り良い状態までにする」には、手間賃がかかりすぎてしまうのです。

塗層の膜があるタイプの塗装(ラッカー塗装、ウレタン塗装、漆など)は、メンテナンスしたいときに塗膜の上に塗膜を重ねられるもの(漆などは重ねていきます)と、そうでないもの(現状の塗膜の上にはくっつかないため剥がして再塗装が必要なもの)があります。

木の家具を選ぶときは再塗装を受け付けているか、等、製品開発の段階で、長く使うことを想定されている木のものを選ぶことをお勧めします。

表面が細かく仕上がっていて、適切な段階でオイルメンテナンスをしたものは、

驚くほどシミに強い表面になります。

朝倉木工では、10年以上使用したテーブルの上に底に水の付いたコップを置いてみることができます。

木の家具と一口に言っても、①木地素材、②仕上げ表面、③塗装、の違いによって、適したお手入れ方法が異なります。

和家具の拭漆、アンティーク家具のシェラック塗装、ウレタン塗装、李朝家具、オイルフィニッシュ、オイルウレタン塗装、、、、様々な組み合わせの家具があります。扱い方とお手入れの方法を知ることでより長く愛用することができます。

 

京都炭山朝倉木工の家具は、①素材は無垢の木(主に広葉樹)②仕上げは鉋仕上げ、③塗装は主にオイルフィニッシュです。

表面に塗装の膜は無く、オイルの浸み込んだ木の層に直接触れることができ、木の呼吸や吸湿効果を妨げません。

ここでは、京都炭山朝倉木工の家具のお手入れ方法について、ご紹介します。

オイルフィニッシュの特性は、表面の木の仕上げ状態によって性能が左右される部分も順に説明します。

 

 

上の写真はショールームの栗の丸テーブル1200Φ 2016年から使用。

 

 

 普段のお手入れ 

 

・テーブルは、食後はよく絞った綿布で水拭きしてください。マイクロファイバーは向きません。

 木目と同じ方向に拭きます。(野菜の土が台ふきんについて拭いてしまった場合も、

 木目と同じ方向の傷であればほとんど目立たず、木目を横切る方向の傷はよく見えるため。)

・TVボードや、チェスト、椅子などは、乾いた布でほこりをぬぐう程度で特にお手入れは必要ありません。

 日常的に座ること、触ることが、摩擦仕上げとなって、よく使う部分はツヤが出てきます。

 

 

 へこみキズ 

 

・小さくまるめた綿布に水を含ませて、凹みの上に乗せておきます。乾いたら水分を追加し数時間置くとかなり戻ります。

(注:この方法は、木の表面の仕上げの番手が荒い家具や着色された家具に行うと水しみになる場合があります。)

一日置いても水だけでなかなか凹みが治らない場合は、アイロンで「1,2,3秒、様子を見る」という方法でもう少し戻ります。

(注:アイロンを多用すると表面が凸凹になる・色が退色する場合があるので、凹みのひどい部分にだけに使うと考えてください。スチーム×)

 

 

 

 

   

 

 

 油性ペンのインク 

・ついてすぐでしたら消毒用エタノールで落とせます。(薬局で購入可。マキロン×)

 

 

 

・何日も経ってしまい、どうしてもおちない場合は、綿棒にごく少量のラッカーうすめ液をつけて木目と似た方向にぼかしながら落とします。この方法では、経年変化でいい色になった層が薬品で荒らされてしまうため、この部分の木の色が薄くなりますので、オイルメンテ前に行ってください。(ウレタン塗装など塗膜のある塗装には行わないでください!)

 

 

 

 

 

 

  木のテーブルの輪染みの種類  

一般的に「輪ジミ」といっても種類が在り、原因と対策が異なります。

症例①  塗装の膜がある塗装の場合の、熱や薬品などによって塗装の膜が反応して白く変色してしまう状態。

(これは朝倉木工のオイルフィニッシュでは起こりません。ご使用の家具がオイルフィニッシュという名称でもワックス成分が強い場合や、オイルウレタン使用の場合、塗膜があるのと同じ状態のときには起こり得ます。)

西洋ではテーブルクロスを使用する文化であったため、アンティーク家具などをお使いの場合は、熱いものを入れた熱伝導率の高い器は直接置かないよう気をつけましょう。)

 

症例②  オイルフィニッシュで起こりうる輪シミは、何年もの使用でオイル成分が表面に少なくなってきた時期に、油の瓶などを置いたらそこだけ油分を木が吸収し、他と違いが出た状態

(これは、オイルメンテナンスで他の部分にもオイルを補給することで差を減らすことで目立たなくすることができます。)

 

症例③  木の中に浸透したオイルが完全に硬化する前に使用してしまい、水分と木の中の半乾きのオイルが反応し他と違いが出た場合。

(これは朝倉木工のできたての時や、メンテナンスしてすぐのときには、可能性があります。

オイル塗りたてから数日間は、水分を直に置かないようコースターを使うなど気にして頂くようお願いします。)

 

症例④  鉄器を直接置いた場合、木のなかのタンニン成分と鉄分が反応し黒くなることがあります。(錆が出る包丁の先端なども同様)

黒くなってすぐにレモン汁(市販の果汁可)を付けておくと、薄くすることができます。

 

 

 

 ダイニングテーブルのみ オイルメンテナンス (1~2年に1度) 

 

食事に使うダイニングテーブルは、食前食後(計6回×365日=2190回!)水拭きをするため、木の表面がほんの少し毛羽立った状態になっていきます。

その毛羽立ちの余分な部分を耐水ペーパーで取り除き、再びオイルを染み込ませることで、1,2回メンテナンスをすると驚くほどシミがつきにくい表面になります。

ショールームでは、何年も使用しているテーブルに濡れたコップを直において試して頂くことができます。

 

 

 

 

準備するもの。

●耐水ペーパー800番(1800×900㎜テーブルでA4サイズ1~2枚。)(テーブルに艶がある状態でしたら1000番(800より細かい)でもいいです)

●オイル(オスモオイルかリボスオイル)50ml(←1800×900㎜テーブルを十分メンテナンス出来る量)

●ウエス 手のひらサイズに切ったもの9枚(内訳:水ぶき用1枚、粉拭き用1枚、オイル塗り広げ用1枚、ふき取り用4枚、仕上げふき取り用2枚)

 

京都炭山朝倉木工の家具と小物をお使いの方へ、キズ用の小さなメンテナンスオイルと

「テーブルメンテナンスこれさえあればですぐできるセット」をご用意しています。ご連絡ください。

 

オイル備考: オスモカラー公式オンラインストアの場合

・ノーマルクリアー #3101  125ml缶/税込2,402円(約960円/50ml/メンテ1回分)+送料700円

・ノーマルクリアー #3101  375ml缶/税込3,880円(約517円/50ml/メンテ1回分)+送料700円

・ノーマルクリアー #3101  750ml缶/税込6,205円(約413円/50ml/メンテ1回分)+送料700円

・ノーマルクリアー #3101  2.5リットル缶/税込19,272円(約386円/50ml/メンテ1回分)+送料700円

 

 

 

 

 ①水拭きで汚れを落とします。天板表面と、板の厚み部分も水拭きして汚れを取っておきます。

 ペーパーの工程でも汚れが取れるので、いつもより念入りに台ふきしたら、乾いてから、次のペーパーがけに進みます。

 ウエスは綿の古いTシャツなど。(タオルは、木目のささくれに引っかかってしまうことに注意すれば使えますが、タオル地でない方が綺麗に拭きとれます)

 

 

 

 ②耐水ペーパー800番は手で折り目をつけて8枚に切り、3等分に折って使います。(はさみで切るとハサミが切れなくなってしまいます。たくさん切るときは、カッターで。)

木目に沿ってペーパーをかけます。目的は2つ。汚れを絡め取ること、日々の台ふきで毛羽立って持ち上がった部分を800番の粒の大きさで取り去ること。

子供とやるときは、手をまっすぐ動かすと木目の向きになる側に立つと良いです。(手の軌道がアーチを描いてしまうため)

たとえ木目と違う方向にペーパーがけしてしまったとしても、800番という細かい番手なので、新品の800番で周囲と馴染ませることができます。

天板の厚みの部分のペーパーがけは、しなくて良いです。(気になる汚れや傷があればしても良い)オイルは塗ります。

 

 

 

 ③乾いたウエスでペーパーで出た粉をよく拭き取ります。拭き取ったとき全体についてムラのない状態がゴールです。極端にムラがあればペーパーにもどります。

 木の板目(タケノコ模様)と柾目(まっすぐシマシマ模様)の違いによってペーパーのかかり具合がムラに見えるのは、オイルを塗れば気にならなくなります。

木の導管にこのペーパーの粉が入ったままオイルを塗ってしまうとそれが蓋になり、日々の台ふきで簡単に取れてしまうので、粉はしっかり取り除きます。

 

 

 

 ④オイルの入った瓶をよく振ってから、塗り広げ、たっぷり吸い込ませます。天板の上と、厚みの部分にも塗ります。

 

 

 

 ⑤時間を置かず、すぐ拭き取ります。拭き取っている間に十分染み込みますし、真夏などはどんどん乾いてきます。

(乾いて拭き取りにくくなっても、オイルをさらに追加して塗ると拭き取りやすくなるので大丈夫です)

ウエスの新しい面でどんどん拭き取ります。ふき心地がこの段階ではべっとり重いです。(子供はエプロンか、汚れてもよい服に,,,)

 

 

 

 

 ⑥仕上げ拭き取りのウエスに持ち替えて、さらにウエスの新しい面でどんどん拭き取ります。

ふき心地がだんだん軽くなり、さらさらとなにもオイルがついてこない感覚まで拭いたら、完成です! 12時間乾かします。

(手を乗せると、じわっと体温でオイルが浮き上がってきて手形がつくので注意します。)

 

 

参考:

リボスオイルをご使用になった場合は乾燥時間12時間ですと、ちょっと短いです。オスモオイルより浸透性が強いのでしっかり乾かせば非常にその後綺麗で使いよいですが、

表面だけ乾いて奥の方でオイルが完全に硬化していないときに水ものを置くと、半乾きのオイルと水分とが木の中でまざって輪シミのようになることがあります。

リボスの場合は1週間ほどはコースターを使うなどしてしっかりオイルを乾かすとシミに強くなります。 

  

 

 

 おまけメンテ

オイルを塗り広げたウエスで、椅子(写真はオーチェア)のアームの先端や、テレビボードの日によく当たる部分などツヤがもう少しほしいと感じる部分にオイルをすり込んで、すぐ拭き取ります。

よく手が触れる場所は手の摩擦仕上げされているので、ペーパーせずにオイルだけ補充してあげるので十分です。

 

 

 

 

※オイルがしみこんだウエスは、広げてしっかり乾かしてから廃棄してください。

オイルがついたままクシャクシャとしておくと、自然発火する場合があります。

干し終わったら、オイルのついた手は石鹸で洗ってください。

 (オイルを塗り広げたウエスは乾くとカピカピになりますが、拭き取りに使用した程度のウエスは乾いたら、お掃除に使えます。)

 

 

応用編:

安価な木製スプーンなどは、塗装の膜がはがれて木地のざらざらの仕上げ面が露出してくるとその凹凸が汚れやすくなります。

そうなったら、120か180番の粗いペーパーで全部塗装の部分をはがしてしまって、少し細かい240番で滑らかになるまで木地を磨き、

乾性油系のオイル(クルミ油、亜麻仁油など。添加物の入っていないオイルは上手に乾かすのが難しいので、初心者の場合はリボスオイル、オスモオイルなどをお勧めします)(オリーブオイルは、不乾性油といってずっと固まらないオイルなので、毎日よく使う炒めベラなどならむっても問題ありませんが、たまにつかうだけの木のお皿などに乾かない系のオイルを塗るのはお勧めしません)

を塗って、乾かしてから耐水ペーパー400番、800番で磨いてもう一度オイルを塗って乾かすと、なめらかに生まれ変わります。

ペーパーではなく、彫刻刀などで削るのも楽しいです。

(刃物の先に手は置かないですむように、いらない板に木をビスもみしてそこに押し当てて削ると、手が安全です。小さいものの木工作業は意外と危ないので、工夫して作業ください。)

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